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赤帽による破産取引先への賃金扱いで訴訟

昔の裁判例情報を基にして、改めて考えるシリーズ(笑)

県組合本部ではなく所属している組合員による訴訟。
受注は本部主導ではなく、組合員が主導で組合員と荷主との契約締結だったのか?
話は変わってくるが、当時から十数年経過しても色褪せない訴訟。
今後とも形式的な委託契約と実態とのかい離が争点となるケースが多く、企業側も「ドライバー」を個人事業主と捉えるか単なるドライバーとして扱うのか?後々の係争時に置いても重要なポイントになるケースも勘案して個人事業主を扱っていこうではないだろうか?時に労働者マインドになり、特に起業家マインドにカメレオンの如く変わること前提で冷静に扱いたいですね。

先に結論

昭和61年7月28日判決 原告棄却

主 文
一 本件各控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人らの負担とする

「http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/248/019248_hanrei.pdf」裁判所トップページ

まあーしゃあないですよ(笑)
中々業務委託契約で受注して、更に組合経由で斡旋を受けた仕事。時給で且つ相手の会社の車両を使わせてもらって。でも仕事をしている会社が破産して、売掛金も回収できそうにないから。。。どうしても回収したいので、委託料金ではなく扱いは労働者だから優先破産債権だ!との訴え。

事件番号 昭和59(ワ)77
事件名 うえの屋賃金請求
裁判年月日 昭和61[1986]年1月30日
裁判所名 富山地方裁判所

原告の拠り所とは?

破産手続が開始された場合には、破産者の財産は破産財団として破産管財人により管理され、破産財団から債権者の債権額に応じて平等に分配されることになります。ただし、債権の種類に応じて優先順位が定められており、優先順位が高い債権(優先的破産債権)ほど優先的に弁済してもらえます(破産法98条1項)。この点、給料債権や退職金債権など雇用関係によって生じた労働債権は一般の先取特権付債権であり(民法308条)、共益費用債権の次に優先されます(同法306条、329条1項)。また、破産手続前3ヶ月間の給料債権や破産手続前に退職した従業員の退職金債権は財団債権となります(破産法149条各項)。財団債権とは破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権のことをいいます(同法2条7項)。このように、破産した後であっても従業員の給料は一定の保護がなされているといえます。しかしながら、破産した会社がその給料すら払えない場合もあります。そこで、独立保行政法人労働者健康安全機構が未払賃金の立替払をする制度を設けています。

「https://umeda-law.com/hasan-tousan/kaishahasan-kaishatousan/会社破産する際の従業員への対応/」会社破産する際の従業員への対応 | 弁護士法人梅田パートナーズ法律事務所

士業さんのホームページにも記載されております。この手の話は、自分で考えるよりも士業さんが何を発信しているのか?こればかりを見ていてもポイントが見えてきます。感情的に考えたい気持ちは分かるが、ルールはルールの中で戦わなくてはいけません。法治国家ですから(笑)

民法306条 優先的破産債権

民法第三百六条[306条]破産財団に属する財産につき一般の先取特権|破産した時に残された財産から優先的に弁済されるのは何か?|軽貨物備忘録「MOKUBA」
だからこそ委託報酬ではなく、「給与」扱いである場合に弁済されるされないの違いがあります。
そもそも契約時は委託契約だったからが争点ではなく、実態を通じて本当に「労働者ではないのか?」を争う訴訟です。その先に労働者ならば、破産会社から優先的な債権として扱われ、従業員の給与として破産会社もしくは公的機関から弁済される道筋が出来ます。
そのための訴訟でありますね。

売掛債権よりも優先的に回収したい

破産後の財産は限られております。潤沢にあるならば、破産はしないでしょう。
売掛債権などは後回しです。
組合経由で斡旋した仕事だが、現場では直接指示であり、相手の車両と相手の会社名で名乗っていた。だからほぼ雇用関係にあったんだから「労働者だ」と言いたいんだろう(笑)
同年1月の地方裁判所での棄却からの控訴審。
控訴人は、1度の訴訟で諦める訳がありませんね。

破産者株式会社うえの屋(以下「破産会社」という)の社長と赤帽富山県軽自動車運送事業組合(以下「本件組合」という)の理事長との間で、本件組合の組合員が破産会社の仕事(配達等の仕事)に従事する場合は一時間あたり一六〇〇円とする旨協定され、その条件を了承した控訴人らが破産会社の仕事に従事したものであり、控訴人らが個別的に契約内容を話し合つたことがなかつたこと、契約書を交わしたことがなかつたことをもつて、雇用を否定する理由にはならない。また、労務の提供がある程度の期間継続することは雇用たるための要件ではなく、一日だけ又は何時間だけ労務を提供するという内容のものでも、労務自体を契約の目的とするものであれば、雇用契約である。従つて、長期間継続的に雇用された場合なら、その間自己の都合で仕事を断わつたり、他の仕事をすることはできないとしても、本件の如く一日単位又は数時間単位で雇用される場合は、破産会社の仕事に従事しない日は他の仕事をすることが自由であるのは当然である。但し、破産会社の仕事に従事した日は、破産会社から帰宅を許可されるまでは拘束されていたものであり、またその間他の仕事をすること(即ち、他の荷物の運搬等)は許されていなかつたし、事実控訴人らは他の仕事をしていなかつた。2 本件契約が運送請負契約であれば、請負人の車両で運送するのが当然であり、荷主の社員を名乗ることを強制されたり、自己の制服の着用を禁止されるということはあり得ない。控訴人らの車両が小さくて家具の配送には不適当であつたとの理由で控訴人らが破産会社の車両を使用したのであれば、大型車両を有する運送会社に請負させればよい筈である。破産会社が、「寿」のマークの入つた自社の車両を使用させて自社の社員の如く振るまわさせ、自社の伝票を使用させたのは、配達する商品(家具)が婚礼にかかわるもので、イメージを大切にしなければならないとの特殊性から、運送の請負によることは不適当であると判断したからであり、従つて、逆に言えば、控訴人らは運送の請負をしたのではなく、労務の提供を目的としたものである。

「http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/248/019248_hanrei.pdf」裁判所トップページ

原告側が「労働者」だと主張する部分
破産会社と県組合本部理事長との協定条件を了承して従事したのであって、従事者個別に契約を行って無い点や事前に調整の場を設けられていない点が雇用契約を否定することにならない
破産会社から帰宅を許可されるまでは拘束されていた。例え他の仕事に従事することは出来たとしても許されていなかったし、事実控訴人らは他の仕事をしていなかった
本件契約が運送請負契約であれば、請負人の車両で運送するのが当然であり、荷主の社員を名乗ることを強制されたり、自己の制服の着用を禁止されるということはあり得ない
赤帽車が家具配送するに不足する車両であったならば、大型車両を保有する運送会社に依頼すればいいのではなかったか
破産会社が、「寿」のマークの入った自社の車両を使用させて自社の社員の如く振るまわさせた
破産会社の婚礼イメージを損なうことを嫌い、請負人たちは従っただけであり、運送の請負をしたのではなく労務の提供を目的としたものである

だから我々は、実態的にも「労働者」と同等の扱いだった。委託報酬では無く「給与」扱いではないだろうか?最優先的に弁済される立場にある「労働者」なんだ。こんな主張でしょうか?
まあー理解できなくもないが、それをやってしまうと荷主が仕事を依頼出来なくなる(笑)
実践レベルでいかがですか?綺麗事は勝手に言えばいいですが、受注する時にいかがですか?(笑)依頼する側は企業の体を成している企業に依頼するでしょう(笑)今の時代もカメレオンは安く使えが鉄則でしょうか(笑)

裁判所が労働者として認めなかった点

もっと言えば、控訴人たちの「労務の提供だった」の主張と被告人側のそもそも赤帽と契約した「運送の請負だ」の主張が係争ポイントですね。
示された文章から個別に裁判所の導き出し筋を学んで行こう。

依頼された仕事が終れば帰宅できたのであつて終業時間の指定がなかつたことは前認定のとおりであり、控訴人らが破産会社の配送の仕事に従事した時間内に他の仕事をすることができないのは、破産会社の仕事をした時間についてのみ料金が支払われるという時間制の定めによるものというべきであり、右事実をもつて控訴人らと破産会社との間に時間単位の雇用関係が成立していたものと認めることはできない。また、破産会社が控訴人らに「寿」のマークの入つた自社の車両を使用させたこと、破産会社の社員を名乗らせ、自己の制服の着用を禁止したこと、自社の伝票を使用させたことをもつて雇用契約の表われであると主張するが、いずれも婚礼家具を扱うという破産会社の業務の特殊性から運送契約において特に条件を付したものというべきであり、右の如き条件を付した請負契約も可能であると解されるから、右条件の存在をもつて破産会社と控訴人らとの間に使用従属関係があるともいえない。控訴人らは、右特殊性から破産会社は請負契約によることを不適当と判断したものであり、控訴人らは労務の提供を目的としたものである旨主張するが、上記判断に照らせば理由がない。

「http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/248/019248_hanrei.pdf」裁判所トップページ

次に裁判所が下した判断の材料となっているポイントが掲載されている。それは本契約が行われた当初の経緯です。

破産会社は、呉服及び婚礼家具等の販売、婚礼衣裳の貸出し等を業とする会社であり、従来、家具の配送について自社の配送担当の社員で処理しきれないときは日本通運、トナミ運輸等の運送業者に依頼していたが、昭和五四年頃、本件組合に呉服等の小荷物の配送を依頼するようになつたことから、本件組合の理事長からの要請で家具についても本件組合の組合員に配送させるようになつた。その際理事長は控訴人ら組合員が原則として各一台の軽自動車を保有して貨物運送を業とする事業者であり、右事業者で組織する本件組合が受注あつせん、料金請求の代行等を責任をもつて行ない、各組合員も受注した仕事を一事業主として誠意をもつて処理する旨を説明したので、破産会社代表者はこれを了承した。

「http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/248/019248_hanrei.pdf」裁判所トップページ

組合が受注の「斡旋」、料金請求の代行等も責任を持って行い、受注した仕事は各事業主が誠意を持って「処理」する旨を説明したので、破産会社代表者は了承して始まった案件。

それが前提ベースで始まった話。また報酬についても遠隔地方面別の料金設定が存在して、遠距離配送で無い場合は1時間1600円と定めたのであって全て「労務の提供」前提での報酬体系では無い。「運送の請負」がベースに存在し、その料金体系の一部に「時給1600円」設定があったに過ぎない。

破産会社が運送等の仕事を発注すると、本件組合がこれを所属組合員にあつせんし、所属組合員と破産会社間で家具運送等に関する契約が成立し、その後本件組合が料金の集金業務を代行する制度であつた。従つて組合からの連絡があつても各組合員は他の仕事が入つている場合等には断わることができ、右注文に応じない自由、また注文がないときは他の仕事に従事する自由が保障されていた。もつとも破産会社としては、家具運搬の性質上、入れ替わり、立ち替わり別の組合員が派遣されると困るので、できる限り同じ人を派遣して貰いたい旨の要望を出し、組合もこれに沿つてあつせんし、一旦派遣された組合員が破産会社から直接次の仕事を依頼されるようなこともあつて、破産会社へ派遣される者は固定化の方向に向つていた。しかし指定された組合員に支障が生じたときは、その者の責任においてパートを雇つて代替派遣をすることも容認されていた

「http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/248/019248_hanrei.pdf」裁判所トップページ

そもそも仕事が出来なかった前に「拘束されていた」以前に受注するしないの判断は組合員に委ねられていた。pickgoと委託ドライバーの訳の分からないイザコザも月日が経過しても変わらないですね(笑)

当該契約が雇用契約なりや否やは契約の形式のみによらず、実質的な労務供給の実態をも総合し、それがいわゆる使用従属関係に当るか否かを基準として判断するのが相当であると解されるところ、前認定事実によると、控訴人らはいずれも軽貨物自動車を保有して貨物運送事業を営む事業者であり、破産会社からの依頼に対しても諾否の自由を有し、また労務の代替性が認められ、仕事開始の時間の指定はあるが、依頼された仕事が終れば何時でも帰宅できるのであつて、拘束時間の指定はなく、報酬も遠距離運送の場合は定額制で明らかに請負代金的な定め方をしていること、その他前認定にかかる実態に照らして判断すると、控訴人らの本件労務提供は、破産会社の指揮監督下での労働とみることはできず、むしろ指定された仕事の完成を目的とする請負契約であつたと認めるのが相当である

「http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/248/019248_hanrei.pdf」裁判所トップページ

この手の係争ポイントとして「認定事項」の大切さが感じれる。昨今のフリーランス軽貨物ドライバーの車両まで無償で貸与する綺麗事など流行っていますが、このような時に「認定事項」として「事業者の独立性」を担保するネタに証拠に「無償の貸与」が第三者にも理解されるんでしょうか?事業主同士のリース契約であるならば、金品のやり取りが発生しますね。そこらあたりSNSのフリーランス軽貨物ドライバーたちの機嫌を取りに行って自分の首を絞めるパターンな奴が多いように感じるね。また「運送の請負」としっかりと第三者に認めてもらう為にも「請負報酬体系の細分化」「受注可否の独立性」他の誰でも代替えが出来るドライバーであることの大切さがわかりますよね。ピンハネすることも「運送の請負」を証明する大切なポイントです。労働者からピンハネは出来ませんからね(笑)

前認定によると、控訴人らが従事した仕事の中には、時間給の部分があり、また控訴人らの本来の運送業務からは若干外れる集金業務、展示会場設営、家具修理等の仕事をした者もいるが、注文者の依頼によつて引受けた臨時的な附帯業務と認められ、全体的観察のもとでは、これによつていまだ控訴人らの事業者性は失われていないと認められる。また大型家具の場合赤帽等を着用しない様指示されているが平服でよいというのであつて、特に控訴人らに負担を課す程のものではなく、また配達先の客に対して破産会社の者である旨名乗る様指示されたことも末梢的な事柄であつて、これによつて業務遂行の主要部分にまで依頼者の指揮監督が及んでいたとは認められない。軽自動車使用の場合は自己の営業であることを表示することが許されていたことは前認定のとおりである

「http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/248/019248_hanrei.pdf」裁判所トップページ

「運送の請負」以外の「附帯業務」として認められておりますが、必ず「運送の請負」部分をしっかり第三者でも理解出来る形が望ましいですね。現在の訴訟でもこの訴訟がベースになっている点は否定できないのではないだろうか?しかしSNSで最もらしく動画でもブラックだの闇だの語る方々は感情的な発信をされている。その点は、発信者が名誉棄損で訴えられないのか?威力業務妨害等で訴訟にならないのか?非常に心配になってしまいますね。

破産会社が控訴人らに「寿」のマークの入つた自社の車両を使用させたこと、破産会社の社員を名乗らせ、自己の制服の着用を禁止したこと、自社の伝票を使用させたことをもつて雇用契約の表われであると主張するが、いずれも婚礼家具を扱うという破産会社の業務の特殊性から運送契約において特に条件を付したものというべきであり、右の如き条件を付した請負契約も可能であると解されるから、右条件の存在をもつて破産会社と控訴人らとの間に使用従属関係があるともいえない。控訴人らは、右特殊性から破産会社は請負契約によることを不適当と判断したものであり、控訴人らは労務の提供を目的としたものである旨主張するが、上記判断に照らせば理由がない。」二 よつて、原判決は相当であるから本件各控訴を棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条、九三条を適用して主文のとおり判決す

「http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/248/019248_hanrei.pdf」裁判所トップページ

至極まっとうな判決ですね。
でも委託ドライバーたちに仕事を配車する側がそれではダメであり、月日が経過しても抱く不満は同じレベル。
個人事業主の軽貨物事業者が「労働者」と変わり身をする。人の事は言えませんね。

組合が原告ではなく、組合員が原告?

なぜ本部組合が原告ではなく、いち組合員複数人での訴訟なのか?
単に心象が悪いから?やっぱり「労働者」認定してほしいので、組合員単独が良いのか?
原告の訴訟費用は??もしかして本部組合から出ているの?って下衆の勘繰りをやってしまう(笑)MOKUBAです(笑)
そんなことはありません(笑)何も根拠がない話ですね。
でも考えてください。貴方が元請け。取引先倒産に伴い、下請けが原告となり元請けの取引先を相手取り訴訟を起こすことって考えられますか?下請けの事を考えれば、元請けで有る以上仕事を受けて実施した分については回収出来ようが出来まいが、下請けに元請けとして報酬を支払うじゃないですか?やっぱり中抜けするだけで、使用者責任としての下請けに対する売掛金責務リスクも下請けに負わすのですか?MOKUBAなら下請けに売掛リスクは負わしませんよ?(笑)だって下請け側からすれば、この元請けは信頼出来る。と1%でも思えるから数ある元請けの中でMOKUBAを選択してくれているのだと考えます。だからこそトラブルが起きれば、売掛金回収する仕事は元請け。下請けは誠実にリスクは元請けが負う。仕事だけ集中してほしいと言えるのではないでしょうか?(笑)ただの手数料収入なら「赤帽組合本部」って名乗らないでほしい(笑)手数料を集約して、事務的仕事に徹するだけならAIでもええ(笑)自分が下請けだったら、どんな元請けから仕事を受けますか?売掛リスクを軽減したい為に二次請けになる事業者も少なくないですよ?だからこそ利用運送と言うか「水屋」が重宝される理由の一つでもある。ただ右から左に手数料中抜きするだけの「サルでも出来る手数料収入・不労所得入門」がやりたいだけなら色んな「儲けれる運送経営者」を訪ねてみてください(笑)MOKUBAは遠慮させて頂きます(笑)
そんな頭を使わない糞みたいな仕事の流れで何が楽しいと思います(笑)

労働者と認定される基準が重要になる

何事も労働事件と成りうると言うこと。原告or被告共にこの「労働者認定」と言う一言に尽きる。
労働事件の判例や調整事例から学ぶ